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県美メールマガジンNo.77
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★平成24年度企画展 ★
☆増村益城展 ☆
★-人間国宝 漆を極める-★
☆を開催中です。 ☆
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本州最後の紅葉といわれる養老渓谷の紅葉ももう散ってしまったことでしょう。ここ数
日は1月下旬の寒さと、暖冬といわれた今年の冬は、例年にも増して冬らしい冬です。
ポートタワーにはクリスマスツリーのイルミネーションが輝き、すっかり師走の装い。
耐震改修等工事による休館前の展覧会も残り2週間程となりました。
展覧会では、先月号に続き、12月27日まで開催中の企画展「増村益城展-人間国宝 漆
を極める-」をご案内します。
普及事業では、12月18日から12月24日まで、本年度実技講座で制作した、陶芸、金工、
コラグラフ、シルバークレイの各作品を展示する実技講座作品展を紹介します。
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☆★開館時間のご案内★☆
時間 午前9時~午後4時30分
休館 月曜日
(24日は開館し、翌25日休館)
12月17日・25日
その他 企画展「増村益城展
-人間国宝 漆を極
める-」開催のため
アート・コレクショ
ンは展示しておりま
せん。
●企画展「増村益城展
-人間国宝 漆を極める-」
第1・2・3・8展示室
開催期間 11月17日(土)
→12月27日(木)
観覧料 一般500円
高校・大学生250円
(学生証を提示)
中学生以下と
65歳以上は無料
(65歳以上の方は
生年月日を記した
ものを提示)
障害者手帳をお持
ちの方はご本人と
介助の方1名無料
交通機関 企画展開催期間
中は駐車場の混
雑が予想されま
す。なるべく公
共交通機関をご
利用ください。
※周辺の有料駐車場地図は
下記のURLからどうぞ
URL http://www.chiba-muse.or.jp/ART/pdf/park_map.pdf
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○みる●みる○みる●みる○
企画展『増村益城展
-人間国宝 漆を極める-』
昭和53年に「?漆(きゅうしつ)」の技法で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認
定され、昭和57年に柏市に移り住み、柏を拠点に制作をつづけた増村益城の漆芸作品
90点を展示するほか、道具類や記録映像等により増村益城の漆の世界を紹介します。
先月号では、「上塗(うわぬり)」の技法と色について説明いたしましたが、今月号
では、予告どおり、「素地(きじ)」について説明したいと思います。
昨今はプラスチックの汁椀も多くなりましたが、昭和40年代までは木質の素地に漆塗
りの椀を使っている家庭が大半だったと思います。さて、木質素地といっても実際に
は漆で覆われているため、その中の素材が木か、それ以外のものかはわからないもの
が大半でしょうが、一般的には木質のものが多く、中には「摺漆(すりうるし)」と
いう上塗技法で仕上げられ、木の風合いと木目が鮮やかに浮かび上がるものもありま
す。
増村益城が得意としたものは、木質素地を使ったものではなく、主に「乾漆(かんし
つ)」と呼ばれる、麻布と和紙を漆で塗り重ねて素地をつくるものでした。
この乾漆は奈良時代の仏像に多くみられます。最近、東京国立博物館で展示された興
福寺の「阿修羅像」をはじめ、唐招提寺の「鑑真和上像」もこの技法によります。仏
像の乾漆は、木の骨組みに粘土で形を作り、これに麻布を漆で貼り付け、漆に杉葉や
松葉の粉末を混ぜた抹香漆(まっこううるし)または漆におがくずなどを混ぜた刻苧
漆(こくそうるし)で細部を作るものです。像が完成すると目立たない背中などから
中の粘土を掻き出し、補強のために内部に木枠を組みます。
増村の乾漆は粘土で形を作り、これを石膏で型どりします。この石膏型に和紙や麻布
を漆で貼り合わせて素地を作ります。
和紙を漆で貼り合わせたものを「紙胎(したい)」、紐を並べて漆で固め素地とした
ものを「紐胎(ちゅうたい)」、これを縄に変えたものが「縄胎(じょうたい)」で
す。この他に「籃胎(らんたい)」は籠に紙などを貼って素地としたもの、「漆皮
(しっぴ)」は動物の皮を素地としたものです。ところで紐は麻などを撚ったもの、
縄は紐を更に撚り合わせたものです。増村はこの縄も得意としていたようで、ヤシの
実からその造形のヒントを得た≪乾漆器≫1980(昭和55)年では、器表面に麻縄を縦
に施しています。この麻縄は上から下に器が細くなるのに合わせ縄の太さも変えてい
るそうです。
増村は「乾漆」などにより素地から創り上げることで独自の造形を生み、伝統的な塗
りの技術を融合させて漆表現の世界を拡げました。本展では、熊本市立商工学校漆工
科時代の増村が漆塗りの技術を学び始めた頃の作品から、柏市に移り住み、柏の葉を
デザインに作成した≪紙胎朱溜葉盤≫1987(昭和62年)などの晩年の作品まで、90点
の漆作品と参考資料や道具類、映像記録等から、増村益城の漆の世界を紹介します。
会期 11月17日(土)から12月27日(木)まで
おもな展示作品
No. 作品名 制作年
45 乾漆うつわ 1980(昭和55)年
46 朱うるみ乾漆盛器 1987(昭和62)年
47 乾漆洗朱葉盤 1988(昭和63)年
48 乾漆赤口洗朱菊花盤 1992(平成4)年
50 根来四ツ椀 1978(昭和53)年頃
51 洗朱十二稜盤 1981(昭和56)年
53 卓上膳 1981(昭和56)年
54 根来朱角切折敷 1989(平成元年)
55 乾漆一閑盆 1981(昭和56)年
56 安居屋盆 1981(昭和56)年
57 乾漆布目華形盆 1981(昭和56)年
59 紙胎金彩盤 1986(昭和61)年
60 紙胎朱溜葉盤 1987(昭和62)年
62 乾漆真塗喜久茶入 1985(昭和60)年
64 張り抜き茶入 花 1989(平成元)年
65 古代朱はりぬき茶入 1990(平成2)年
67 乾漆金彩花輪中次 1985(昭和60)年
69 乾漆洗朱八角茶入 1986(昭和61)年
70 乾漆花輪中次 1986(昭和61)年
71 紙胎金彩葉盤 1987(昭和62)年
75 乾漆八稜茶器 1992(平成4)年頃
76 乾漆溜塗食籠「亀甲」 1991(平成3)年
77 乾漆金彩鉢 1993(平成5)年
78 乾漆和紙張金彩方盤 1994(平成6)年
80 乾漆洗朱ぬりぼかし菊花盤 1995(平成7)年
※番号は出品リストによる。
◆かたる◇かたる◆かたる◇
○美術講演会「増村益城の人と芸術」
現在展示中の増村益城作品について、映像を見ながらその特徴と魅力を語る講演会を
開催します。
講師 中松 満始 氏 (当館 主任上席研究員)
日時 12/16(日)14:00~
場所 千葉県立美術館 第3展示室
定員 100名(当日受付)
参加費 無料
※ 展覧会をご覧になられる方は別途入場料が必要です。
○企画展「増村益城展」ギャラリートーク
増村益城展の展示作品を鑑賞しながら、作品の見どころをかたるギャラリートークを
開催します。講師は当館学芸員です。
日時 12/23(日)14:00~
※12/16(日)のギャラリートークは、美術講演会のためありません。
場所 時間になりましたら、第1展示室にお集まりください。
参加費 入場料が必要です(当日受付)
○千葉県立博物館文化セミナー「千葉学講座」
県立博物館の調査研究活動を広く県民のみなさまにお伝えし、房総を再発見していた
だくための講演会です。どちらか一方の講座のみでも御参加いただけます。
第2回 12/15(土)
場所 千葉県立美術館 講堂
受講料 無料
定員 200名(当日受付)
時間 13:00~14:00
演題 深い海に暮らす生きものたち
講師 川瀬裕司(千葉県立中央博物館分館海の博物館 主任上席研究員)
時間 14:00~15:00
演題 発電の仕組みについて
講師 今関文章(千葉県立現代産業科学館 主任上席研究員)
●みる○▲つくる▽●みる○
○実技講座作品展
美術館が実施した実技講座で制作した作品、陶芸、金工、コラグラフ、シルバークレ
イの作品やその制作風景を写真でご覧いただく展覧会を開催します。
実技講座の開催は知っていても難しいからとあきらめているあなた、アートを始めた
いと思っているあなた、一度、ご覧になってはいかがですか。
会期 12/18(火)~12/24(月)
時間 午前9時~午後4時30分
場所 千葉県立美術館 第6展示室
入場無料
※美術館からのお知らせ※
○耐震改修等工事に伴う休館について
千葉県立美術館は耐震改修等工事のため、平成25年1月から平成27年3月(予定)
まで休館します。
改修後の開館時期については、工事の進捗状況などにより変更になる可能性がある
ため、決まり次第、当メールマガジンやホームページ等でお知らせします。
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県美メールマガジン No.77 2012.12.14
〒260-0024 千葉市中央区中央港1-10-1
Tel 043-242-8311 Fax 043-241-7880
URL http://www.chiba-muse.or.jp/ART/
※このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。
返信いただいても、お答えできませんので、御了承ください。
返信は電話、Faxでお願いいたします。
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