はじめに

 常磐自動車道は、昭和41年に国土開発幹線自動車道の予定路線とされ、昭和60年にここで紹介する柏市・流山市の遺跡を含む三郷IC~柏IC間が開通しました。

 発掘調査は、昭和52年10月に柏市花前1遺跡をはじめとする5遺跡を対象とする調査が開始され、昭和56年度の流山市若葉台遺跡などの4遺跡の調査を最後として、柏市・流山市にまたがる8.6Kmに及ぶ路線内の発掘調査が終了しました。
成果については、昭和57年3月に『常磐自動車道埋蔵文化財調査報告書1』として刊行され、昭和60年度の5冊目の調査報告書ですべての遺跡の成果が公表されました。

 その成果を概観すると、旧石器時代はほとんどの遺跡で遺物が確認されています。
縄文時代は前期後半と中期前半の代表的な集落として注目されます。
その後、弥生時代の終わりまで空白期間があり、古墳時代前期~後期の小規模な集落が営まれます。
奈良・平安時代になると、製鉄を中心とした生産遺跡が柏市花前遺跡に集中しています。
江戸時代では、屋敷跡や牧とともに多くの陶磁器類が見つかっています。

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