柏市花前2-1・2-2遺跡


発掘された屋敷跡は、こうした江戸時代に柏の北部(大青田、大室、小青田、正連寺、花野井、船戸、山高野、若柴)を治めた代官の屋敷だったと考えられています。発掘では160㎡ほどの母屋の他に、土蔵(約50㎡)や井戸、水を溜める「流し溜」、農作物の種を水に浸して保存しておく「種池」などの施設が見つかりました。また、屋敷地を区画する溝や屋敷へ続く道も確認されており、屋敷全体の規模は3,000㎡に及ぶと推定されます。

  

この屋敷地や周辺から出土した江戸時代の遺物には様々な物がありますが、遠く九州から運ばれた肥前陶磁(有田焼)の器が特に目を引きます。その中には通常大名屋敷でなければ出土しないような白磁の鉢や染付の大皿なども多く含まれており、代官や富農といった、この地域の有力者達が経済的に大きな富を蓄えていたと想像されます。

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