柏市・流山市所在の馬土手


千葉県内には古くから多くの牧がありましたが、江戸時代、幕府はこれらを小金牧・佐倉牧・嶺岡牧の3か所に整備しました。牧の周囲には土手や堀が築かれ、馬が逃げるのを防いだり、周囲の田畑が荒らされないようにしていました。また、牧内には集めた馬を捕まえるための囲い土手や捕込、牧への出入口にあたる木戸も設けられ、牧士と呼ばれる役人を中心に馬の飼育や管理がおこなわれていました。

常磐道の路線は小金牧の中にあった上野牧と高田台牧が置かれたところを通っており、柏市で1か所、流山市で3か所の調査がおこなわれました。発掘の結果、土手が補修や改修を重ねながら使われていたことや、江戸時代の末になると堀はすでに埋まりつつあって、制度として牧が廃止される明治2(1869)年より前に馬の飼育や管理といった牧の機能が失われていた可能性が高いことがわかってきました。