柏市矢船遺跡


竪穴住居跡2軒のみでしたが、001号竪穴住居跡から、勾玉・剣形模造品・土玉のほか多量の土器が出土しました。この住居跡は、焼土や炭化材が多く残っていたことから、焼失家屋と思われます。遺物は、住居跡内に3か所設けられた貯蔵穴を中心に約200点出土しています。土器は高杯が多くありますが、線刻が描かれた壺も出土しました。

台地縁辺部にほぼ単独で建てられた竪穴住居跡から、多量の遺物が発見されたことや、石製の勾玉を所有していたことなどから、この住居に住んでいた人物は、何か特殊な役割を担った人物だったのかもしれません。

001号竪穴住居跡から出土した土器群は、東京都狛江市の和泉遺跡から発見された土器群から古墳時代中期の「和泉式土器」(約1,600年前)と命名され、関東地方を中心に広く分布しています。壺を小型化したような「坩」や脚部が長く、杯部が大きく広がる高杯はこの頃の土器の特徴です。