七夕(タナバタ)
千葉県では、7月7日には七夕馬が作られます。この習俗は全国ところどころに見られますが、圧倒的に関東を中心とした東日本に集中しています。七夕馬の材料は、マコモを使うことが多く、その他、チガヤや稲藁なども使われます。馬のたてがみとして田植えが終わった時にかまどの神様(荒神様・オカマ様)に供えておいた苗をつけるところや、俵を背負わせるところ、牛を作るところなど場所によって様々な形が見られます。七夕に馬を作る理由は、農作業を共にする馬や牛をねぎらうためだとするものと、この馬に乗って先祖の霊が帰ってくるとするものの2つの考え方があります。7月7日はお盆の1週間前ですから、迎えの馬を作って送り出すのです。日本人が古来から持ち続けていたの祖先崇拝の考え方に、中国の行事が後で結びついていったものだということが分かります。 
上総の農家−山武郡大網白里町砂田の事例
マコモで馬と牛を作り、これを引いて草を刈りに行きます。土間のあがりかまちにこの草を敷き、馬と牛を飾って団子を供えます。その後は荒神様に1年間、飾ります。 
下総の農家−我孫子市岡発戸の事例
マコモで雄と雌の馬を作ります。これを向かい合わせにして入り口の庇に飾り、1年間置いておきます。
安房の農家−房郡富山町平久里下の事例
チガヤで作った馬と牛を座敷の軒先に吊し、縁側に焼き米を供えます。短冊に「七月七夕天の川」などと書いて、笹の枝に下げました。
商家−佐原市内の事例
町場では、近村から売りに来たマコモの牛馬を買い求め、米のとぎ汁を飲ませる真似をして屋根にあげたと言われています。また、子供が引っ張って遊ぶこともあったようですが、最後は小野川に流したそうです。七夕の日には井戸の掃除を行うことも多く、大店では出入りの鳶職が行い、協同の元井戸などは各戸から人が出て掃除をしました。