生態園の自然 20230518_01

 2023/05/18(木)

 シロフクモバチの一種

クモを捕らえているハチを発見しました。ハチの体長は15ミリほど。腹部の白い斑紋が特徴のシロフクモバチの一種です。日本にはシロフクモバチ属(Episyron)のオオシロフクモバチとホソシロフクモバチの2種が生息していますが、どちらかは確定できませんでした。捕らえられたクモはオニグモの一種で、おそらくヤマシロオニグモだと思われます。
クモバチの仲間はクモを捕らえ、針で刺して麻酔をかけ、巣に運んで卵を産みつけます。孵化した幼虫は麻酔されたクモを餌にして成長します。
この日見つけたクモバチは捕らえたクモを草の上に置いてどこかへ飛び去ってしまいました。不思議に思って、クモを付近の地面に移動してみたところ、数分後にハチが戻ってきて、クモを放置した草のあたりをしきりに探していました。しばらくして地面に置いたクモを見つけると、引きずって運び始め、やがて50センチほど離れた場所に生えたセイタカアワダチソウを登り、茎頂付近の葉の付け根にクモを挟むように固定し、また飛び去りました。
どうやら捕らえたクモを入れるための巣穴を掘る間、獲物を草の上に「仮置き」しているようです。地上に放置しないのは、アリなどに横取りされないためなのでしょうか。とても興味深い行動でした。

  • クモバチと捕らえられたクモ
  • 地面に置いたクモを見つけて運ぶクモバチ
  • 捕らえたクモを運び上げるクモバチ
  • セイタカアワダチソウの葉の付け根に固定されたクモ

(尾崎煙雄)

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