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【秋−4】

東都三十六景    亀戸天満宮

 絵 師: 胡蝶園春升
 生没年: ?
 制作年: 弘化年間(1840年代)
収蔵番号: 36


亨保年間(1715〜1735)に流行しはじめた菊作りは、江戸後期にむけてますます広まり、栽培の解説書も多く発刊されました。当時の解説書を読むと、この絵に見られるようにキクの花を細竹で支え、丸く切った紙で受け、藍で染めた市松模様の油障子をかけて日よけとしたことがわかります。絵の上に記されているのは秋の手紙文例です。

  五節文章 菊月の文
 重陽膳御祝儀
    御目出度候
 時分柄朝夕は御すゞしく
 おはしまし候へ共先々
 御喜介んよう入らせ申候
 御よろこび存じ候 扨又
 にはの菊も盛りに 相成り
 御ままごと      御子殿方
 御つれいらせ存じ候様
 待入り存じ申候
 そく才に願上存じ候
     めでたく
        かしこ
(五節文章 菊月の文 (ごせちもんじょう きくづきのふみ)
 重陽の膳 御祝儀 おめでたく候
 時分柄、朝夕は御涼しくおわしましそうらえども、まずまずごきげんよういらせ申し候、 お喜び存じ候。さてまた、庭の菊も盛りに相成り、おままごとおままごと御子殿方お連 れいらせ存じ候よう、待ち入り存じ申し候。息災に願い上げ存じ候。 めでたくかしこ)




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