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【秋−6】
江戸名勝図會 染井

 絵 師: 歌川広重(二代)
 生没年: 文政9年〜明治2年
      (1826〜1869)
 制作年: 文久元年〜元治元年
      (1861〜1864)
収蔵番号: 57




染井はサクラの品種ソメイヨシノにその名を残していますが、江戸時代には巣鴨、団子坂などと並んで植木屋が多く集まり、花の名所として知られていました。特に伊兵衛三之丞(1650年前後)がツツジの野生種を全国から集めて品種改良を行うようになって以来、ツツジの名所として有名になりました。生け垣で仕切られた植木屋の庭や、開かれた門を入って、大掛かりにしつらえられた満開の菊花壇を見物する人々の姿など、当時の染井のようすがよくわかります。囲みの中に書かれているのは主にツツジの話です。

染井村ハ植木屋多く
種々の植木を造り是を
鉢に植て商ふ此地盤霧
嶋つゝじの名木にして其紅
艶を愛する輩こゝえ群遊
す花の頃は満庭紅ひ
を灌がことく夕日の映
じて錦繍林をなす
がごとし

(染井村は植木屋多く、種々の植木を造り、これを鉢に植えて商う。この地はキリシマツツジの名木にしてその紅艶を愛する輩(ともがら)ここへ群遊す。花の頃は満庭(まんてい)紅をそそぐがごとく、夕日の映じて錦繍(きんしゅう)林をなすがごとし。)







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