No.039 2002/04/01(月)

 ヒガンマムシグサの花


 春のお彼岸の頃に花が咲くのでヒガン。茎にある斑紋がマムシに似るのでマムシグサ。合わせてヒガンマムシグサ。

 初めて見る人には少し気味悪く思えるかもしれない。サトイモの仲間と聞けば少しは安心するだろうか。そうでもないか。では、ミズバショウの仲間といったらどうだろう。

 左の写真のものは草丈60cmほど。指を広げた手のような大きな葉が2枚。中央の花茎の先に不思議な形の花がつく(下の写真)。

 縦縞の筒部と、覆いかぶさるスカーフのような舷部を合わせて「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ぶ。湿原に映えるミズバショウの花の白い部分もこの仏炎苞だ。

 じつは、花の本体は仏炎苞の中に隠されている。仏炎苞をむしってみると、筒部の奥の方に短かくて緑色のトウモロコシのような物体がある。トウモロコシの一粒一粒に当たるのがひとつの花だ。

 この植物には驚くべき性質がまだまだあるのだが、また別の機会に紹介しよう。

 (K)


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