No.080 2002/07/27(土)

 ムラサキホコリカビ


 立ち枯れたタブノキの幹に妙なものが生えていた。

 ムラサキホコリカビだ。

 幹の表面に白っぽい円形のしみがあって、その下側の縁に沿って紫褐色のカビのようなキノコのようなものが生えている。

 同じ菌類ではあるが、カビともキノコとも違う“変形菌”の仲間だ。別名“粘菌”とも呼ばれる。

 拡大すると、長さ3cmくらいの毛のようなものが歯ブラシ状に集合している。この1本1本が“子実体”で、中に胞子が詰まっている。

 子実体になる前、変形菌は巨大なアメーバのような姿で倒木の上などをはい回る。これを“変形体”という。白っぽいしみは、変形体の名残だ。

 不思議な生き物である。みつけると、なんとなくうれしい。

(K)


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