No.098 2002/09/05(木)

 トゲナナフシ


 暗いスギ林の中でトゲナナフシを発見した。体長は約6センチ。シダの葉の上を悠然と歩いていた。

 野外でみつかるトゲナナフシはすべてメス。オスはいない。メスは交尾せずに単独で卵を産む。羽根はなく飛べない。

 分布の北限にあたる千葉県では比較的めずらしい昆虫だ。

 その名のとおり、背はトゲだらけ。ナナフシの仲間は小枝に化ける“忍者昆虫”として有名だが、この種類だけはヨロイに身を包んだ“武者”のようだ。

 しかしこのトゲ、触っても意外に痛くはない。毒もない。目がユーモラスだし、強そうな名のわりにかわいい虫である。

 餌はアザミやノイバラ。トゲのある植物ばかり食べるのがおもしろい。

(K)

 トゲナナフシ Neohirasea japonica (ナナフシ科)


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