No.103 2002/09/19(木)

 モミタケ


 山に住む知人から「サマツが出ているからみにおいで」と、連絡があった。「サマツ」とは「モミタケ」というキノコの方言名。

 案内された薄暗い林の地面には、落ち葉を押しのけるようにして白いキノコが頭をのぞかせていた。

 大きい。

 掘り出してみたら、大人の手の平にあまる。全長16センチ。柄の太いところの直径が7センチ半。

 あと何日かすると傘が開くいて「シイタケ型」になる。このサイズだと「小型の扇風機くらいになる」というから驚きだ。

 ずっしりと重い。

 なかなかの美味で知られる。この大きさだと4人家族でもじゅうぶん楽しめるだろう。

 モミタケはモミの根に共生する菌だ。松茸が松の根につくのと同様である。

 モミタケの根元を掘り下げてみたら、土の中に白い「菌糸」がみえ隠れしていた。この菌糸がモミの細根と共生して養分や水をやりとりしているのだ。

(K)

 モミタケ Catathelasma ventricosum(キシメジ科)

 モミ Abies firma(マツ科)


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