No.105 2002/10/03(木)

 マルタニシ


 ハス田の泥の上をはう大型のタニシをみつけた。貝殻の直径は3センチ以上。マルタニシという種類だ。

 2本のヒゲのような触覚を出して、泥の表面をゆっくりと歩いている。

 くっきりと長方形に整形された田んぼと川岸の竹林とに挟まれ、まるで忘れ去られたような小さな三角形のハス田である。

 マルタニシがはった跡は泥の表面に曲線を描き、幾重にも重なったはい跡が風呂敷かなにかの模様のようだ。

 1メートル四方の範囲に10匹以上いる。かなりの密度だ。

 じつは、こんなにたくさんのマルタニシをみつけたのは久しぶりである。かつては水田にごく普通にみつかる貝だったのだが、最近は激減して珍しい存在になりつつある。

 このハス田は、いまや貴重な生息地である。

(K)

 マルタニシ Cipangopaludina chinensis laeta(タニシ科)


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