No.727 2009/07/18(土)

 蛾の誘惑1


dummy  清和の山で灯火採集をした。夜の森で明かりを灯し、白い布に集まる昆虫を採集するのだ(写真1)。主な目当てはカミキリムシやクワガタムシなどの甲虫類。だが多くの場合、灯火に最も多く集まるのは蛾の仲間だ。まさに「誘蛾灯」。蛾の仲間は日本に6千種以上もいて、標本を作らないと正確な同定は難しいものが多い。灯火に集まる蛾の色や形や模様を見ていると、その多様性に驚く。採集して調べてみたい誘惑にかられる。しかし、多数の蛾を展翅して整理する時間が無いのは目に見えている。標本にできない虫を採るのも気が引ける。そこで、写真を撮って我慢することにした。この夜みられた蛾のほんの一部を紹介する。
 (尾崎煙雄)

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dummy  写真1 灯火採集の仕掛け(ライトトラップ)
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dummy  写真2 エグリエダシャク
 名のとおり前翅の後縁が「えぐれ」ている。
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dummy  写真3 オオマエキトビエダシャク(?)
 近縁のマエキトビエダシャクかもしれない。どちらも翅の前縁の黄色が美しい。
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dummy  写真4 オオゴマダラエダシャク
 やや大型の蛾。翅だけでなく、胸部や腹部にもゴマダラ模様。
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dummy  写真5 アケビコノハ
 翅を閉じた姿はまるで木の葉のよう。実は後翅は鮮やかな黄色と黒。
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dummy  写真6 アカウラカギバ
 カギバガの仲間の微妙にカーブした翅先の形が好きだ。この種は裏側が鮮やかな赤。
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dummy  写真7 ウコンカギバ(?)
 近縁のヒメウコンカギバかもしれない。前種同様、翅先の形がよい。
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dummy  写真8 シロヒトモンノメイガ
 前後の翅に一つずつ白い紋。閉じると4つの紋が並んで洒落ている。
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dummy  写真9 カギシロスジアオシャク
 アオシャクの仲間は緑色が美しい。緑色のチョウはあまりいないのに、なぜ、緑の蛾は多いのだろう?
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dummy  写真10 ヨツモンマエジロアオシャク
 このアオシャクは翅の縁飾りが凝っている。
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dummy  写真11 アミメキシタバ
 やや大型の蛾。シタバガの仲間は後翅の色と模様が美しい。それを木目のような模様の前翅で隠している。
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dummy  写真12 サザナミスズメ
 やや大型の蛾。スズメガの仲間は太い胴体に幅の狭い翅を持つ。いかにも速く飛べそうな体型だ。

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 エグリエダシャク Fascellina chromataria(シャクガ科)

 オオマエキトビエダシャク Nothomiza aureolaria(シャクガ科)

 オオゴマダラエダシャク Perapercnia giraffata(シャクガ科)

 アケビコノハ Eudocima tyrannus(ヤガ科)

 アカウラカギバ Hypsomadius insignis(カギバガ科)

 ウコンカギバ Tridrepana crocea(カギバガ科)

 シロヒトモンノメイガ Analthes semitritalis orbicularis(ツトガ科)

 カギシロスジアオシャク Geometra dieckmanni(シャクガ科)

 ヨツモンマエジロアオシャク Comibaena procumbaria(シャクガ科)

 アミメキシタバ Catocala hyperconnexa(ヤガ科)

 サザナミスズメ Delbina tancrei(スズメガ科)

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