No.787 2009/12/25(金)

 オオキンカメムシのはやにえだ!


dummy  三島小の校庭でモズのはやにえチェックをした。いつもながめているサクラの木に先週見かけなかった、赤っぽい何かが刺さっていた。近づくと、鮮やかな朱色の模様が目立っつ昆虫の腹部だった。
 その周りをさらに観察すると同じ木の約1m離れた枝先にも、朱色に輝く物体が刺さっていた。そちらは胸部が枝に刺さり、背中の部分も残っていた。色や模様からオオキンカメムシだと、昆虫に詳しい学芸員から教わった。
 どうやらこの1週間に、モズが葉の裏で越冬中のオオキンカメムシを見つけ出し、胸部を刺した後、腹部を食いちぎって背中側から別の枝に刺したようだ。
 千葉県レッドデータブックによると、オオキンカメムシは南方系の昆虫で、千葉県内では主に南房総で分布が確認され、海岸付近のツバキ、トベラなどで集団越冬するとのことだ。
 どうやら山間部でオオキンカメムシが越冬するのは珍しいようだ。モズのはやにえを調べると、捕まった生きものたちの生き様が見えてきそうだ。モズは立派な生きもの調査員だ。
 (大木淳一)
dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy

 モズ Lanius bucephalus(モズ科)

 オオキンカメムシ Eucorysses grandis(キンカメムシ科)

 ツバキ Camellia japonica(ツバキ科)

 トベラ Pittosporum tobira(トベラ科)

dummy


ニュース一覧へもどる