No.851 2010/06/25(金)
山の上で見る海の生物の巣穴
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清和県民の森・寂光不動の近くの尾根道を歩いていると、砂岩層の表面が複雑に盛り上がっている場所があった。風化して、かなり判りにくくなってはいるものの、「タラシノイデス」という名前の生痕化石だと思われる。生痕化石は、文字通り大昔の生物が地層中に残した生命活動の痕跡である。這い跡、足跡、巣穴、別の生物に食べられた跡、糞化石など、様々な生命活動の痕跡が化石になって保存される。なかでも、生物の這い跡や、巣穴の跡は比較的よく見つかるが、たいていの場合、住人や這い跡の主は、今となっては不明である。タラシノイデスは、直径2〜3cmの巣穴が不規則に枝分かれしたり、途中でこぶを作ったりするもので、スナモグリなどの甲殻類の巣穴に似ているとされる。 ごくまれに、巣穴の奥に形成者と見られる甲殻類の化石が、生き埋め?となって見つかることがある。 (加藤久佳) |
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タラシノイデス Thalassinoides スナモグリ Nihonotrypaea petalura(スナモグリ科) |
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