No.852 2010/07/02(金)
オオグソクムシ?
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清和県民の森を流れる小糸川の河床から、写真1のような化石を見つけた。 長さ約3cm。ずんぐりした節が連なっており、節足動物の付属肢である事は間違いない。化石を見つけたのは、天津層の上部である。天津層は、水深数100m〜1000mを超えるような、深い海でたまった地層で、そのような深海に生息する大型の節足動物で、このような化石として残りやすいのは甲殻類である。中でも、この化石はオオグソクムシと呼ばれる深海性の等脚類(ダンゴムシの仲間)の胸部付属肢に似ている。ちなみにグソクムシのグソクは鎧の具足から来ている。 実は、他地域の天津層からは全長30cmにも達する「ダイオウグソクムシ(写真2)」の仲間の化石が発見されていて、現在研究をすすめている。天津層の続きの地層である鋸南町の千畑層からは、体長10cm内外のオオグソクムシの化石がいくつも見つかっている。 この化石は、残念ながら付属肢の一部だけなので、確かな事は言えないが、小糸川流域の天津層からも、将来、大型のオオグソクムシ化石が見つかるだろう。 (加藤久佳) |
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![]() 写真1 |
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![]() 写真2 |
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オオグソクムシの仲間 Bathynomus sp. 現生のダイオウグソクムシ Bathynomus giganteus |
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