No.884 2010/10/08(金)

 シカの臼歯


dummy  市宿の採砂場での化石の観察会の下見を行った際、シカの臼歯の化石を見つけた。
 市宿層は水深およそ50〜130mの海に堆積した地層と考えられているが、ごく浅い海や岩礁海岸からの流れ込みと思われる貝の化石も多数含まれ、時折、陸生哺乳類の化石も見つかることがある。ただし、それらはまとまった骨格などではなく、ほとんどがこのような断片化した骨や歯である。 写真の歯はシカ類の右上顎の前臼歯と見られるが、現生のニホンジカのそれに比べるとかなり大きい。しかしながら、化石シカ類は主として角の形態・分岐パターンによって分類されており、歯だけでは種のみならず属も決められないということである。
 (加藤久佳)
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シカ科の未定種の前臼歯
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 Cervidae gen. et sp. indet.(シカ科)

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