No.889 2010/11/01(月)

 リンゴドクガ


dummy  君津市清和地区・秋元城址近くに在住の野村さんからの投稿写真。
 野村さん「雨上がりに黄色の毛虫。」
 目にも鮮やかな黄色の毛虫(写真1)。お尻に近い所にオレンジ色の長い毛の束があり、身体の前方3分の1ほどの位置に黒い模様がある。リンゴドクガの幼虫だ。リンゴを含むさまざまな広葉樹の葉を食草とする。秋に目立つ毛虫の代表といってよいだろう。「毒蛾」の名を持つが毒はない。自分の身体で確かめたこともあるが、触ってもかぶれたりしない。
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写真1
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dummy  野村さん「城山に居た毛虫。リンゴドクガでしょうか?」
 3日後、野村さんから送られてきた別の毛虫の写真(写真2)。こちらはアカヒゲドクガの幼虫だ。リンゴドクガの倍くらいの大きさがあり、毛も長く、見るからに恐ろしげな毛虫。ところがこれも無毒。ドクガ科の仲間で有毒なのはドクガやチャドクガなどの一部の種だけなのだ。以前、アカヒゲドクガの毛虫を腕に這わせてみたことがある。長い毛がふわふわと肌をなでるのがとても心地よかった。よく見ると黒く長い毛と白く羽毛状の毛が混じって生えていて美しい毛虫だ。アカヒゲドクガの食草はコナラなどのブナ科樹木。
 それにしても、はじめてアカヒゲドクガの幼虫を見てリンゴドクガの同類と見抜いた野村さんの観察眼はかなりのものだ。
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写真2
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 リンゴドクガ Calliteara pseudabietis(ドクガ科)

 アカヒゲドクガ Calliteara lunulata(ドクガ科)

 ドクガ Euproctis subflava(ドクガ科)

 チャドクガ Euproctis pseudoconspersa(ドクガ科)

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