No.902 2010/12/17(金)

 カワセミ


dummy  三島小学校の2年生たちが「尾崎せんせい!たいへん!たいへん!」と呼びに来た。騒ぎの原因はカワセミの死体であった(写真1)。授業中、教室の窓ガラスにぶつかってきたのだそうだ。大きな音がして驚いたという。死んだカワセミには気の毒だったが、新鮮な死体はよい標本になるので、博物館に提供してもらった。子どもたちには「鳥インフルエンザが発生しているから、野鳥を触ったら念のために手を消毒してね」と話した。
 カワセミの身体を間近で観察する機会も少ないので、さっそく撮影。身体の背面とは対照的に腹部は橙色(写真2)。翼の上面(写真3)と下面(写真4)。上面の雨覆羽には淡青色の星がちりばめられている。尾に近い背中の羽根はとりわけ鮮やかな青緑色(写真5)。カワセミは漢字で「翡翠」と書き、これは宝石の「ヒスイ」と同じ。カワセミが「渓流の宝石」と呼ばれるのもうなづける。脚の指と爪は長い(写真6)。これでしっかり枝に止まって魚を待ち伏せるのだな。長いくちばしの内側は意外に平滑で「これでしっかり魚を咥えられるのだろうか」と思うほど。しかし、口の中を覗いてびっくり。口の内面には鋭いトゲが密生していて、すべてが喉の奥の方向に寝ている(写真7)。なるほど、これで魚を上手に飲み込めるのか。いろいろと勉強になった。
 (尾崎煙雄)
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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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写真5
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写真6
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写真7
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 カワセミ Alcedo atthis(カワセミ科)

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