No.905 2010/12/17(金)

 ヒミズ


dummy  三島小学校の校長先生が「モグラだと思うんですが」といって小動物の死体を持ってきてくれた(写真1)。モグラの仲間の「ヒミズ」であった。本州から九州にかけて分布する動物で、千葉県内では主に南部の丘陵地帯に生息する。頭胴長(頭の先から尾の付け根までの体長)9センチで、モグラ(東日本産はアズマモグラ)よりずっと小さい。尾は太短かく、ネズミ類とは違う(写真2)。ヒミズはモグラのような長い地中のトンネルは掘らないが、落ち葉の下の地面を掘って昆虫などを食べる。だからモグラほどではないけれども、前脚、後脚の爪は鋭く土を掘るのに適している(写真3、4)。モグラの毛皮は柔らかく光沢が良いことで知られるが、ヒミズの毛皮も負けず美しい。極上の毛皮をなでていたら、なんとハエの卵を発見(写真5)。あと1日遅ければ貴重な標本が蛆に食われていただろう。新鮮なうちに見つけてくれた校長先生に感謝。
 (尾崎煙雄)
dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy
写真3
dummy
dummy
写真4
dummy
dummy
写真5
dummy
dummy

 ヒミズ Urotrichus talpoides(モグラ科)

 アズマモグラ Mogera imaizumii(モグラ科)

dummy


ニュース一覧へもどる