No.907 2011/01/07(金)
ゾウの臼歯?
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富津の海岸で化石を探して歩いていた時のこと、貝化石の混じるガケの砂レキ層に板状のものを見つけた(写真1)。咬板(こうばん)と言われるゾウの臼歯の一部ではないだろうか?ゾウの臼歯は、板状の咬板が何枚も重なってできており、それがバラバラになって化石になることも少なくない。周囲に分布する地層は、上総層群長浜層。約50万年前の地層で、ムカシマンモスと呼ばれるゾウの化石も見つかっている。ムカシマンモスは資料が少なく、もしそうだとしたら破片でも貴重だ。 写真を撮った後、掘り出してみてがっかり。両殻が合わさったトウキョウホタテガイの断面だった(写真2)。ホタテガイ類は他の貝よりも殻が丈夫なため、おそらく一度化石になったものが、洗い出されて貝や砂礫と一緒に再堆積したものと見られる。 今回はハズレだったが、近い将来ゾウの化石も見つかると信じて探し続けるとしよう。 (加藤久佳) |
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![]() 写真1 |
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![]() 写真2 |
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トウキョウホタテ Mizuhopecten tokyoensis(イタヤガイ科) |
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