No.980 2011/11/04(金)

 ヨモギハシロタマケフシ


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 三島小校庭で見つけたヨモギの葉の虫こぶ(写真1)。図鑑によるとヨモギハシロタマケフシという虫こぶらしい。
 虫こぶの名前には長くて舌を噛みそうなものが多いが、最近の図鑑等で用いられている名前には規則性があるのでわかりやすい利点もある。規則性とは「寄主となる植物の種名+植物の部位+虫こぶの特徴+フシ」というもの。写真の虫こぶの場合なら、「ヨモギ+葉+白玉毛(白くて、玉形で、毛の生えた)+フシ」となる。「フシ」は「五倍子」とも書き、虫こぶを表す。ただし、虫こぶの命名には規約がないので研究者によっては別の名前を使うこともある。
 この虫こぶはヨモギの葉にヨモギシロケフシタマバエというハエの1種が寄生してできたもの。ヨモギの葉の裏の葉脈上に直径7ミリ前後の「玉」が数個並んでいて、玉の表面はビロード状の毛で覆われている(写真2)。
 採集した虫こぶを切断してみた(写真3)。虫こぶの中身はスポンジ状の組織で、中心に何かが見える。拡大してみると、中心にいるのはオレンジ色の幼虫(写真4)。取り出してみると体長2ミリほどで、脚もなく前後もよくわからない「ウジ虫」だ(写真5)。たぶんこれがヨモギシロケフシタマバエの幼虫なのだろう。このまま越冬するように思われるが、今後どうなるか観察を続けようと思う。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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写真5
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 ヨモギ Artemisia princeps(キク科)

 ヨモギシロケフシタマバエ Rhopalomyia cinerarius(タマバエ科)

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