No.984 2011/11/16(水)

 アカタテハとヒメアカタテハ


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 写真1のようにカラムシの葉が丸まっていたら、中に何かいるかもしれない。アカタテハの幼虫だ(写真2)。体長2センチくらいの「毛虫」だ。鋭いトゲが何本も生えているが、触っても痛くはないし毒もない。別の葉をめくってみたら、もう蛹になっていた(写真3)。アカタテハは成虫で越冬するので、この蛹はもうすぐ羽化するはずだ。
 カラムシではなくヨモギの葉が同じように丸まっていたら、そこにはヒメアカタテハの幼虫がいるかもしれない(写真4)。アカタテハと同じようなトゲだらけの毛虫。こちらも無害。
 アカタテハの場合、秋に羽化した成虫が倒木の陰などに隠れてじっと動かずに越冬する。しかし、ヒメアカタテハの方は冬でも成虫に加えて幼虫や蛹が見つかることがある。アカタテハには休眠性があり、ヒメアカタテハには休眠性がないのだそうだ。真冬でもやや暖かい日にはヒメアカタテハの成虫が飛んでいるのを見かけることがある。アカタテハはそういうことはしない。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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 アカタテハ Vanessa indica(タテハチョウ科)

 ヒメアカタテハ Cynthia cardui(タテハチョウ科)

 カラムシ Boehmeria nipononivea(イラクサ科)

 ヨモギ Artemisia princeps(キク科)

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