清澄山系でみつけたヤンマタケ（写真１）。やはり沢沿いの湿った場所。トンボの体の節々から５ミリ弱ほどの「キノコ」が生えている（写真２）。ヤンマタケはトンボ類に寄生するキノコで、いわゆる「冬虫夏草」の仲間。
　持ち帰って調べたところ、寄主（寄生されたトンボ）はミルンヤンマのようであった（写真３）。房総丘陵でみつかるヤンマタケはアカトンボ類（アカネ属）に寄生している場合が多い。ミルンヤンマのような大型のトンボだと栄養も豊富なのだろう。こんなに立派なヤンマタケにはなかなかお目にかかれない。
　（尾崎煙雄）

　ヤンマタケ　Hymenostilbe odonatae（Ophiocordycipitaceae科）

　ミルンヤンマ　Planaeschna milnei（ヤンマ科）