『クロオオアリの女王が歩いてるよ〜』と博物館で仕事をしていたら、同僚からメールが入った。慌ててカメラを持って外へでてみると、交尾を終えて羽を落として隙間へ入り込もうとしているクロオオアリの女王がたくさん徘徊していた（写真１）。どの女王アリも、スズメやカラスに食べられまいと必死に隠れる場所を探してる。
　ふと見ると、羽を１枚だけ残した女王アリを見つけた（写真２）。『こ・これは羽を落とす瞬間を見られるぞ！』と思い、３０分ほど粘ってみたが彼女は林の中へ消えていった…。結局、ずっと下を向いていたので首が痛くなっただけかと残念に思ったが、この写真をアリの専門家に見せたら、『すごいじゃん！』と興奮していた。意外と珍しい状況だったらしく、成果アリの３０分となったので満足した。
　（大木淳一）

　クロオオアリ　Camponotus japonicus（アリ科）