No.1069 2012/10/24(水)

 イチイガシ


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 房総丘陵にはごく少数のイチイガシが生育している。この日、清澄山系に生育するイチイガシを調べに行った。この樹木はここが分布の北限に近く、県北部には分布しない。ただし、茨城県の筑波山に分布が知られている。他のカシ類と同様、光沢のある濃い緑色の葉を持つ(写真1)が、裏面は白い(写真2)。葉裏の色は毛が密生しているせいで、フェルトのような感触(写真3)。房総丘陵にはシジミチョウの仲間のルーミスシジミが生息しており、イチイガシはその食草として知られている。しかし、房総丘陵のイチイガシはあまりにも数が少ないので、ルーミスシジミはこれ以外のカシ類も利用しているものと思われる。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 イチイガシ Quercus gilva(ブナ科)

 ルーミスシジミ Panchara ganesa loomisi(シジミチョウ科)

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