No.1095 2012/12/21(金)

 タヌキブンブクの仲間


dummy  君津市折木沢の猪ノ川林道沿いで化石をさがしていたら、少し大きめのウニの化石が見つかった。ウニ化石の専門家に写真を見てもらったら、タヌキブンブクの1種とのこと。日本では、タヌキブンブクの仲間は現生・化石を含めて3種1亜種が知られているが、この標本は腹面(口面)で、背面(反口面)の花びら模様がわからないため、種までは決められない、と言うことだった。タヌキブンブクの仲間は海底の泥の中に潜り、泥中のえさを食べ歩く。一部に棘の跡が残るこの標本は、生き埋めになったか、死後、ほとんど移動することなくすみやかに埋没し、化石になったものらしい。
 見つかった地層は黄和田層で、深海底に静かに堆積した泥岩だ。このウニは、泥の中に埋まったまま、海底に出ることなく化石になったものではないだろうか。
 (加藤久佳)
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 タヌキブンブクの1種 Brissopsis sp.(オオブンブク科:Brissidae)

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