No.1098 2013/01/18(金)

 カミキリ幼虫


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 三島小の近くに住むKさんが幼虫を持ってきてくれた(写真1)。体長約5センチの白い「イモムシ」だ。14日の大雪で庭のクリの木の枝が折れ、中にいたと思われるこの幼虫が積もった雪の表面に落ちていたのだそうだ。頭部をみると小さいながらも鋭いあごがある(写真2)。これはカミキリムシの幼虫だ。おそらくミヤマカミキリの幼虫だと思われる。
 カミキリムシの幼虫は樹木の内部に棲み、材を食べながらトンネルを掘るものが多い。写真2にはとても小さな脚が6本写っているが、彼らが移動するのに使うのはこの脚ではなく、背面にある「歩行突起」というこぶ状のふくらみだ(写真1の各節にみえる吸盤のようなもの)。
 折れたクリの枝にはこの幼虫が作ったと思われる「蛹室」があった(写真3)。穴の内側に木のくずを塗りつけて「繭」のような部屋を作り、中で蛹になるのだ。ミヤマカミキリだとすると今年の5月頃に蛹になり、夏に羽化すると思われる。観察を続けようと思う。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 クリ Castanea crenata(ブナ科)

 ミヤマカミキリ Massicus raddei(カミキリムシ科)

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