小雨の中、養老渓谷を歩いていると、川の中をニョロニョロ動く生きものを見つけた。体長１０センチほどだ。この辺で見かけるシマドジョウにしては大きさや動きが違っていた。近づいてよく見たら、スナヤツメだった。水中で撮影すると目がくっきりしているだけでなく、片側にえら穴が七つあるのが写っていた。目と合わせて八つの目があるように見えることからヤツメウナギとこの仲間は名付けられた。
　以前、網で捕まえたときは目が閉じた感じだったので、八つ目には見えなかったが、水中で撮影すると丸い穴や目がはっきりしているので、そう見えなくもない。 必死にエサを食べるような感じで、つぶらな瞳をぱっちり開いている様子が可愛らしい。
　（大木淳一）

　スナヤツメ　Lethenteron ressneri（ヤツメウナギ科）