博物館本館で粗大・不燃ゴミの収集があるというので、長らく処分していなかった、化石発掘イベントの体験済みのズリ（クズ）石を整理した。この石は、栃木県塩原の保存の良い植物化石「木の葉石」の母岩で、数年前に化石さがしのイベントで使われ、細かく砕かれた残土石だ。約３０万年前の湖に堆積したシルト岩で、珪藻の遺骸を大量に含んでいて薄くはがれる性質がある。実はこの石は植物の化石だけではなく、昆虫の化石もしばしば見つかる。
　処分する前に、ともう一度見返してみると、昆虫らしきものの断片がかなり見つかり、ハチの化石なども含まれていた。土のう袋３杯分のズリ石を資料ボランティアの人と２人がかりでざっと見るのに２時間以上かかったが、そのまま捨てなくてよかったと思う。
　（加藤久佳）