博物館にキツネの死体が届いた（写真１）。県北部にお住まいの方がわざわざ届けてくださったものだ。死因は特定できないが、おそらく事故死したものと思われる。千葉県ではキツネの生息数が非常に少なく、地域的な絶滅が危惧されている。博物館にもキツネの標本は少なく、これはとても貴重な資料となる。発見した方、博物館に知らせてくださった方、そして届けてくださった方の連係プレイのおかげだが、いつもこううまくいくとは限らない。不慮の死をとげたキツネはかわいそうだが、これから千葉県の自然を物語る大切な資料として長く活躍してもらいたい。
　（尾崎煙雄）

　キツネ　Vulpes vulpes （イヌ科）