No.1238 2014/03/27(木)
エゾミズゼニゴケ
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雨の中、清澄山系の沢沿いで奇妙なものを見つけた。垂直に近い土の斜面に白い半透明のひも状の何かがたくさん生えている(写真1)。長いものは5センチを超え、太さや質感は細めのモヤシに似ている。先端には褐色の球が着いている(写真2)。持ち帰った標本をコケ担当の学芸員に同定してもらったところ、エゾミズゼニゴケと教えられた。このコケはブナ帯を中心に分布し、太平洋岸の低標高の地では比較的珍しい。モヤシ状のものは朔(さく)の柄で、先端の球が朔である。朔は胞子の入った袋で、ここから飛び出した胞子によって繁殖する。雌雄は別株で、朔を生じたこの個体は雌。朔の柄の根元は幅1センチほどの葉状体から生えている(写真3)。この葉状体をみると、これがゼニゴケに近い仲間なのだと納得する。 |
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![]() 写真1 |
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![]() 写真2 |
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![]() 写真3 |
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エゾミズゼニゴケ Pellia neesiana(ミズゼニゴケ科) | ![]() |
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