No.1283 2014/08/11(月)

 マツグミ


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 元清澄山系でヒメコマツの調査。この尾根はヒメコマツの他にモミやツガが密生する針葉樹林となっている。急傾斜の地表を見ると、サルビアに似た赤い花がいくつも落ちている(写真1)。マツグミの落花だ。マツグミはマツ等の針葉樹に寄生する半寄生植物で、千葉県では房総丘陵の針葉樹林でまれに見つかる。針葉樹の枝上に寄生したマツグミは8月に真っ赤な花を多数咲かせる(写真2)。しかし、写真3の中央に写っているように、背の高い針葉樹の上の方の枝にしか着かないので地表から見つけるのはとても難しい。だから、マツグミを探すには写真1のような落花を手がかりにするのが早道だ。長さ2センチほどの赤い筒状のマツグミの花にはおそらく鳥が訪れて花粉を媒介するのだと思われるが(写真4)、まだこの花で鳥を見かけたことはない。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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 ヒメコマツ Pinus parviflora var. parviflora(マツ科)

 モミ Abies firma(マツ科)

 ツガ Tsuga sieboldii(マツ科)

 マツグミ Taxillus kaempferi(オオバヤドリギ科)

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