No.1306 2014/11/07(金)

 オオバヤドリギ


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 この日、館山市在住のFさんがオオバヤドリギの標本を持ってきてくださった(写真1)。写真をみるとでたらめに枝が生えた木にしか見えないが、これはグミの仲間(ナツグミか?)の枝に寄生したオオバヤドリギだ。枯葉が着いているのはグミの枝だが、別の枝には確かにオオバヤドリギの花が残っている(写真2)。オオバヤドリギはさまざまな樹木に寄生する南方系の半寄生植物で、千葉県では南房総の低地にのみ分布する。この標本では、どこまでがグミの枝でどこからがオオバヤドリギの組織なのかが判然としない(写真3)。オオバヤドリギは寄主の枝の表面をつる状に匍って伸びる性質があり、この例では、寄主の枝をほとんど覆ってしまっているようだ。とてもよい標本をいただいたので、枝の断面を観察してみたいと思う。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 オオバヤドリギ Taxillus yadoriki(オオバヤドリギ科)

 ナツグミ Elaeagnus multiflora(グミ科)

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