No.1344 2015/04/17(金)

 ヒゲナガガの仲間


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 木の枝に虫が止まっている(写真1)。長さ1センチほどの褐色の身体で、先端に白く長いひげが生えている。これが「ガ」の1種だと言われて納得されるだろうか。側面からならもう少し「ガ」らしく見えるかもしれない(写真2)。これはヒゲナガガ科の仲間で、おそらくウスキヒゲナガという種だと思われる。カタカナで書くとわかりにくいが、「髭長蛾」科の「薄黄髭長」だ。
 その名の通り、ヒゲナガガの仲間は長い触角を持っている。雄の触角が特に長く、翅の長さの倍以上になる。この仲間のもう一つの特徴は幼虫が作る「ケース」だ。ケースとは、みの虫の「みの」と同様で、幼虫の身体を包む寝袋のようなもの。ヒゲナガガの幼虫は、枯葉の断片を糸でつづり合わせてやや細長い小判型のケースを作る。このケースに収まった幼虫が落ち葉の上にいても見つけるのは難しい。このガは人里近くに普通に棲んでいるのだが、人に気づかれることはあまりない。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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 ウスキヒゲナガ Nematopogon distinctus(ヒゲナガガ科)

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