No.1375 2015/07/30(木)

 ナツエビネ


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 この日は猛暑の中、房総丘陵を歩いた。谷底近くの崖の縁に立つスダジイの大木に思わぬ花が咲いていた(写真1)。幹にあいたうろに根付いたナツエビネであった。ランの1種で温帯の植物とされるナツエビネは温暖な千葉県では稀だ。しかも、近年増加したシカによって食べられてしまうこともあるようだ。地上2メートルほどのうろに上手く根付いたこのナツエビネは、シカに食われることもなく元気に花を咲かせていた。よく見ると昨年の花茎も残っているので、この場所で毎年開花しているようだ。このような希少な花に出会えると猛暑日の山歩きの苦労も報われる。
 (尾崎煙雄)

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 スダジイ Castanopsis cuspidata var. sieboldii(ブナ科)

 ナツエビネ Calanthe reflexa(ラン科)

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