No.1381 2015/08/17(月)

 ハゴロモの仲間


dummy

 清澄山系で夜の昆虫調査を行った。
 灯火に飛来した緑色の昆虫を見て、同行者が「これは、蛾の仲間ですか?」と問う。「いえいえ、これはハゴロモの仲間でアミガサハゴロモといいます」と答えた。幅広の翅を開いて止まり、全体として三角形に近いその形はたしかに蛾のようにも見える(写真1)。しかし、ハゴロモ類は広い意味でのカメムシの仲間で、セミなどに比較的近縁な昆虫だ。
 この夜はハゴロモの「当り日」だったようで、各種のハゴロモが見られたので紹介する。
 写真1はアミガサハゴロモ。身体や翅が緑色の粉に覆われいるが、この粉は脱落しやすく、羽化後時間が経った個体は暗褐色に見える。体長1センチ強。カシ類につく。

dummy
dummy
写真1
dummy
dummy

 写真2はベッコウハゴロモ。翅にある白と黒の横縞模様が特徴。体長1センチ弱。ウツギなどにつく。

dummy
dummy
写真2
dummy
dummy

 写真3はスケバハゴロモ。透明な翅が暗褐色に縁取られ、翅内部にも暗褐色の模様がある。体長1センチ弱。ウツギやキイチゴ類などにつく。以上3種のなかでは最も少ない種類。

dummy
dummy
写真3
dummy
dummy

 ついでに南日本産のヒトツメハゴロモ(写真4)を紹介する。一見、スケバハゴロモとよく似ているが、前翅内部の模様が若干異なっていて、「目」のように見える。私は「見つめられている感じがするのがヒトツメハゴロモ」と覚えている。体長1センチ弱。写真は7月に奄美大島で撮影したもの。
 (尾崎煙雄)

dummy
dummy
写真4
dummy
dummy

 アミガサハゴロモ Pochazia albomaculata(ハゴロモ科)

 ベッコウハゴロモ Orosanga japonicus(ハゴロモ科)

 スケバハゴロモ Euricania fascialis(ハゴロモ科)

 ヒトツメハゴロモ Euricania ocellus(ハゴロモ科)

dummy


ニュース一覧へもどる