No.1384 2015/09/05(土)

 ヒメスズメバチ


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 三島小教室博物館がある木造校舎の床下にハチが巣を作ったようだ。博物館ボランティアのKさんが床下の通気口(写真1)からハチが出入りするのを発見した。
 「床下からハチが出て来ました」というKさんの証言を聞いてしばらく観察してみた。しかし、ハチは頻繁に出入りしているわけではないらしく、なかなかその正体を確かめることができない。そこで、出入り口近くにビデオをしかけて撮影してみた。すると、およそ3分に1回ほど、1ないし2匹のハチが出たり入ったりしていることがわかった(写真2、3)。
 ビデオに写ったハチはヒメスズメバチであった。名前は「ヒメ」だが、体長3センチ前後の大型のスズメバチで、見た目はかなり怖ろしい。他のスズメバチ類と違って、腹部の末端が黒いので見分けやすい。
 ヒメスズメバチであることがわかったので少し安心した。なぜなら、ヒメスズメバチはスズメバチ類の中でもっとも危険度の少ない種だからだ。このハチはその大きさに似合わずおとなしい性質で、人を襲うことはほとんどない。また、一つの巣に住む働きバチの数も数十匹と比較的少ない。また、このハチはアシナガバチ類の幼虫や蛹を専門に食べることが知られている。つまり、ヒメスズメバチが住み着くと、周囲のアシナガバチを駆除してくれる効果もあるのだ。いつまで活動するのか、観察を続けてみたい。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 ヒメスズメバチ Vespa ducalis pulchra(スズメバチ科)

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