久しぶりにトゲアリを観たくなり、毎年観察している巣へ出かけてみた。相変わらず活発に動いているが、巣の入口付近に２mmほどの白っぽい昆虫がピョンピョン跳ねているのに気がついた。よくよく見ると、図鑑で見かけたことがあるアリヅカコオロギの仲間だった（写真1）。２０cm程離れた巣口でも素速く動いていた。何年もこの巣に来ているが気づいたのは初めてだ。
　アリヅカコオロギの仲間はアリにその生活のすべてまたは一部を依存する好蟻性昆虫だ。丸山ほか(2013)「アリの巣の生きもの図鑑（東海大学出版会）」によると、アリヅカコオロギの仲間は種類によって寄主となるアリの種類が異なるようだ。他のアリの巣ものぞいてみたくなった。
　（大木淳一）

　トゲアリ　Polyrhachis lamellidens（アリ科）

　アリヅカコオロギの仲間　Myrmecophilus sp.（アリヅカコオロギ科）