No.1388 2015/09/19(土)

 トゲアリの巣に近づく謎のヒョウタン


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 昨日観察したトゲアリの巣でアリヅカコオロギをまた見たいと思い足を運んでみた。やはりアリヅカコオロギが素速く動いていたが、しばらく観察していると、巣口周辺に1〜2cmくらいのヒョウタン型の物体が10個くらい落ちているのに気がついた(写真の矢印)。さらにそこから幼虫が顔を出しながらジワジワ巣口に向かって移動しているようだ(写真の黄色矢印)。トゲアリがヒョウタン型の物体に触れようとすると、あわてて引っ込みジッとしているが、いなくなると再び巣口に向かってヒョウタン型の物体ごと移動するの繰り返していた。その様子はまるで「だるまさんが転んだ」を見ているようで可笑しくなった。
 この物体に見覚えはあるが名前を思い出せなかったのでスマホを使って検索してみると、マダラマルハヒロズコガの幼虫であることが判明した。ヒョウタンのような鼓型の蓑に隠れるので俗にツヅミミノムシと呼ばれるようだ。
 マダラマルハヒロズコガはアリヅカコオロギと同様、蟻好性昆虫だ。丸山ほか(2013)『アリの巣の生きもの図鑑(東海大学出版会)』によると、まだまだ好蟻性昆虫がいるので、巣口でじっと観察していると他の種類も見つかるかもしれない。これから観察するポイントが増えて楽しめそうだ。
 (大木淳一)

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 トゲアリ Polyrhachis lamellidens(アリ科)

 アリヅカコオロギ Myrmecophilus sapporensis(アリヅカコオロギ科)

 マダラマルハヒロズコガ Ippa conspersa(ヒロズコガ科)

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