No.1412 2016/01/15(金)
ヒモミノガ
三島小の校庭のサクラの木にひものようなものがたくさん垂れ下がっている(写真1)。ひもの幅は2ミリ弱で、長さはまちまちだが3センチ前後のものが多い(写真2)。これはヒモミノガというガの幼虫である。 ヒモミノガのミノは樹皮のかけらなどを糸で綴り合わせて作られている(写真3)。ときどき混じっている白緑色のものは地衣類の破片である。中にいる幼虫はキノコや地衣類を食べているらしく、地衣類の着生した生木の樹皮や枯死木の表面にいることが多い。 ミノは筒状で、内面は糸で裏打ちされている(写真4)。まるで暖かな毛布のようだ。 ヒモミノガはミノムシの仲間(ミノガ類)だが、まだ学名が定まっていない「未記載種」だ。南西日本に分布する昆虫だと思っていたが、ここ数年、房総丘陵の各地で目にすることが多くなっており、分布を広げているように思われる。 (尾崎煙雄)
ヒモミノガ Psychidae Gen. sp.(ミノガ科)