No.1417 2016/02/17(水)

 コセリバオウレン


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 清澄山系で早春の花のひとつ、コセリバオウレンが咲き出した(写真1)。開花は例年よりやや早いようだ。寒波もあったが、やはり暖冬傾向なのだろう。暗い森の地表に咲く純白の花は夜空の星のように見える。目立つ5枚の「花びら」は「萼(がく)」で、花の中心に花弁と雄しべが放射状についている(写真2)。雌雄別株なので、この株には雌しべはない。
 コセリバオウレンは、オウレンの変種である。オウレンの名は、その根茎を乾燥させ「黄連」という生薬に用いるところから。日本のオウレンには、葉の形によっていくつかの変種がある。
 オウレンの葉は、基本的には根元から伸びた葉柄の先に3つの小葉(しょうよう)がつく「三出複葉」という形をしている(図の1)。3つの小葉がさらに3つに分かれているものを「二回三出複葉」といい(図の2)、その小葉がさらに3つに分かれているものを「三回三出複葉」という(図の3)。二回以上の場合と区別する場合には、ただの三出複葉を「一回三出複葉」と呼ぶ。
 オウレンのうち三回三出複葉の変種がコセリバオウレンで、千葉県を含む本州太平洋側に分布する。二回三出複葉のものは変種セリバオウレンで、本州と四国に分布し、一回三出複葉のものは変種キクバオウレンといい、本州日本海側と北海道に分布する。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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 コセリバオウレン Coptis japonica var. japonica(キンポウゲ科)

 セリバオウレン Coptis japonica var. major(キンポウゲ科)

 キクバオウレン Coptis japonica var. anemonifolia(キンポウゲ科)

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