No.1451 2016/07/11(月)

 謎の綿虫


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 クヌギの若い枝にアブラムシがたかっている(写真1)。そしてよく見る光景だが、アブラムシの周囲にはアリが集まっている。さらに謎の白い綿状の虫が混じっている。
 このアブラムシはクワナケクダアブラムシのようだ(写真2)。お尻の先に甘露のしずくを出しているものもいる(写真3)。そしてアミメアリの働きアリが甘露を受け取っている様子も見える(写真4)。
 謎の白い綿状の虫は、調べてみるとコクロヒメテントウの幼虫らしい(写真5)。白い綿のように見えるのは幼虫が分泌した蝋状の物質で、まるでカイガラムシの仲間のように見える。しかし腹面を見れば明らかにカイガラムシではないことがわかる(写真6)。
 アブラムシから甘露をもらうアリの立場から見れば、アブラムシを捕食するテントウムシ類は「敵」なので攻撃対象だ。しかし、カイガラムシのふりをしたコクロヒメテントウの幼虫はアリの攻撃を受けることなく平然とアブラムシを食べているようだ。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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写真5
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写真6
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 クヌギ Quercus acutissima(ブナ科)

 クワナケクダアブラムシ Greenidea kuwanai(アブラムシ科)

 アミメアリ Pristomyrmex punctatus(アリ科)

 コクロヒメテントウ Scymnus (Pullus) posticalis(テントウムシ科)

 


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