No.1464 2016/08/12(金)

 アワダチソウグンバイ


dummy

 三島小の校庭に隣接した林縁にセイタカアワダチソウが群生している。その葉に白っぽい斑点が見えたので、もしやと思って近づくと、期待どおりの昆虫が葉の表面に2匹ついていた(写真1)。
 これはアワダチソウグンバイという体長3ミリほどのカメムシの仲間だ(写真2)。この虫はセイタカアワダチソウやヒマワリなどのキク科草本の葉から吸汁して暮らす。昨年、校庭でグンバイムシ探しをした時には見つけられなかったが、これで校庭のグンバイムシは4種となった。
 この種に限らず、グンバイムシの仲間には複雑で美しい造形のものが少なくない(写真3)。わずか3ミリの虫がなぜここまで凝ったデザインになっているのだろうか。
 アワダチソウグンバイは北米原産の外来種で、日本では1999年に兵庫県西宮市で確認されたのが最初だ(初認は2000年という説もある)。その後急速に分布を拡大し、千葉県では2006年に記録されたのが最も古い。山撫G雄氏の調査により2008年には千葉県のほぼ全域に分布していることが明らかにされている。房総丘陵でも記録されているが、その多くは幹線道路沿いであった(山 2009)。三島小のように道路からやや離れた場所にも生息しているとは意外であった。
 (尾崎煙雄)

dummy
dummy
写真1
dummy
dummy
写真2
dummy
dummy
写真3
dummy
dummy

 セイタカアワダチソウ Solidago altissima(キク科)

 ヒマワリ Helianthus annuus(キク科)

 アワダチソウグンバイ Corythucha marmorata(グンバイムシ科)

 
dummy

【参考文献】
 山撫G雄(2009)北米原産の外来種,アワダチソウグンバイの千葉県における分布.千葉生物誌 59:5-16.

 


ニュース一覧へもどる