木更津市内の丘陵地にて。オニドコロの花に昆虫が止まっていた（写真１）。体長１センチ半ほどで、細い胴体に細い翅。ガガンボの１種かと思って近寄ってみると、脚に長い棘が生えている（写真２）。ガガンボではなくガの仲間であった。
　このガはブドウトリバという。トリバガの仲間は深く切れ込んで羽毛のような毛を持つ独特の翅を持つが、止まっている時は翅をたたんでいるのでよくわからない。脚に長い棘状の毛を持つ種が多い。第一印象がそうだったように、止まっているとガガンボに見えてしまう。夜、たまに灯火に来ることもあるが、昼間に観察する機会は少ない気がする。
　ブドウトリバの幼虫はノブドウなどのブドウ科植物の花や果実を食べる。
　（尾崎煙雄）

　オニドコロ　Dioscorea tokoro（ヤマノイモ科）

　ブドウトリバ　Nippoptilia vitis（トリバガ科）