No.1472 2016/10/21(金)

 トホシテントウの幼虫


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 木更津市内の丘陵地にて。伐採跡地にスズメウリが茂っていた(写真1)。ハート型の葉は長さ5センチほど。ほぼ球形の果実が実っていた。果実は1円玉より少し小さいくらいで、未熟な内は緑色だが熟すと白くなる(写真2)。「雀瓜」と呼ばれるのは、近縁のカラスウリに比べてずっと小さな実がなるところから。
 スズメウリの葉の一部が枯れて縮れているのが目についた(写真3)。

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写真1
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写真2
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写真3
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 葉の枯れた部分をめくってみると、そこにトゲだらけの虫がいた(写真4)。葉の裏側の表面をかじり採るように食べた跡がついている。これはトホシテントウの幼虫だ。体長は1センチ弱。黄色い身体の背面全体に黒い棘が50本くらい生えている(写真5)。棘(とげ)は途中で枝分かれしていて見た目は怖ろしい。しかし、試しに触ってみると痛くはなく、見かけほど危険ではない。愛嬌のある顔をしていて、棘さえなければむしろかわいい(写真6)。
 テントウムシの仲間にはアブラムシ等を餌とする肉食性のものがよく知られているが、このトホシテントウは植物食で、スズメウリやカラスウリ等の葉を食べる。
 今年の5月にこの付近でトホシテントウの成虫を撮影していた(写真7)。その姿は幼虫とは似ても似つかない。
 (尾崎煙雄)

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写真4
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写真5
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写真6
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写真7
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 スズメウリ Zehneria japonica(ウリ科)

 カラスウリ Trichosanthes cucumeroides(ウリ科)

 トホシテントウ Epilachna admirabilis(テントウムシ科)

 


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