No.1477 2016/10/17(木)
ヒメコマツを食べるハバチ
気持ちのよい秋晴れの下(写真1)、来月に予定しているヒメコマツ観察会の下見のため富津市内の山奥へ分け入った。 目的地の尾根には合計8本のヒメコマツが生育しているが、中でも貴重なのはこの1本(写真2)。これは種子から自然に成長した稚樹で、高さ2メートルほど。このような次世代のヒメコマツは房総丘陵全体でも数本しか見つかっていない。 この大切なヒメコマツの葉がむしり取られたようになっているのに気がついた(写真3)。「さては」と思い探すと、果たしてイモムシが見つかった(写真4)。体長は2センチ半ほど。頭部の形態や、腹部の脚の特徴から、ハバチの幼虫であることは間違いない。マツ類を食べるハバチは多数知られているが、図鑑などで調べてもこれに該当する幼虫は見つけられなかった。なんとか成虫になるまで飼育して正体を突き止めたいと思う。 (尾崎煙雄)
ヒメコマツ Pinus parviflora var. parviflora(マツ科)