No.1494 2017/01/27(金)

 ツルニンジン


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 館山市在住のFさんが変わった形の物を持って教室博物館に来られ、「これ、何かわかる?」と訊かれた(写真1)。乾燥した植物で、直径6センチほどのヒトデのような形をしている。裏返すと、細い茎に枯れて縮れた葉のようなものが着いている(写真2)。
 「もしかしてこれは、『じいさん』の方ですか?」と答えると、「たぶんそうだと思う」とFさん。この正体は、ツルニンジンの枯れた果実である。ツルニンジンはキキョウの仲間のつる植物で、別名「ジイソブ」という。「バアソブ」という名の近縁種もあり、千葉県内ではバアソブの方が稀。どちらも花に紫色の斑点があり、それをお爺さんやお婆さんの「そばかす」に見立てて名付けられたそうだ。
 ヒトデのように広がっているのは5枚の「がく片」で、中央部分が果実。果実は3つの部屋に別れていて、中に多数の種子が入っていた(写真3)。種子の形はジイソブとバアソブの判別に重要なのだが、残念ながらこの果実には種子は残っていなかった。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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 ツルニンジン(ジイソブ) Codonopsis lanceolata(キキョウ科)

 バアソブ Codonopsis ussuriensis(キキョウ科)

 


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